がじゅもりの会について

概要

「医療観察法と被害者の会(以下、「当会」といいます。)」の代表は、平成31(2019)年2月25日、児童養護施設長をしていた夫を刺殺されました。
加害者は、心神喪失を理由に不起訴になり、それ以後、遺族は事件について知る事ができなくなりました。代表は、事件が不起訴になるということは、裁判の場で真相が明らかにされないだけでなく、加害者が犯罪の加害者として扱われなくなる結果、被害者の存在も消されてしまうことなのだということを実感しました。被害者や遺族にとっては、加害者の精神疾患の有無にかかわらず、被害を受けたことに変わりはありません。
代表は、加害者が精神疾患のために刑事裁判を受けない場合であっても、被害者や遺族には加害者に刑事責任能力がある場合と同様の権利利益を認めてもらいたい、被害者や遺族に対し、もっと意見を表明する機会と情報に接する機会を与えてもらいたいと考え、令和3(2021)年6月、当会を結成することにしました。
当会は2021年に設立し、活動内容の継続性を保ったまま、2026年に公式サイトをリニューアルしました。

医療観察制度とは

心神喪失又は心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかない等、刑事責任を問うことができない状態)で重大な他害行為(殺人、放火、強盗、不同意性交等、不同意わいせつ、傷害)を行った者に対して適切な医療を提供し社会復帰を促進することを目的として設けられた制度です。

当会の特徴

当会は医療観察制度の対象となる加害者から被害を受けた被害者本人、家族、遺族及び支援者からなる団体です。
医療観察法事件における被害者及び遺族の権利利益の擁護を目的として、精神疾患をお持ちの方の人権にも配慮しながら以下の活動を行います。

  1. 医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)、
    関連する法令や制度の調査研究
  2. 関係機関への要望書・意見書の作成提出その他法改正を求めるための運動
  3. 社会への広報・啓発活動
  4. 関係機関・団体との連携
  5. 医療観察事件被害者等当事者同士の交流
  6. その他目的を達成するために必要な事業

以上

「がじゅもり」の名に込める想い

ガジュマルの画像

ガジュマル(がじゅまる)は、東南アジアを中心に(日本では沖縄や屋久島など)自生している木です。
小さな鉢植えはインテリアとしても人気で、我が家にもあります。
夫が職場から何かのお祝いとして贈られたもので、以来少しずつ少しずつ成長するのを楽しんできました。
地表にも根を張りだしながら様々な形に育つ姿はユニークで「多幸の木」「幸せを呼ぶ木」とも言われています。
一方で、自生する森のガジュマルは、他の木に絡みつき覆いつくしてついにはその木を枯らしてしまう事もある為、「絞め殺しの木」の異名を持っています。

厳しい環境を生き抜く術とはいえ、支えとしていた元の木を枯らしてしまうことがあるということを知った時、私は何とも言えない気持ちになりました。
枯らすまでに至る前に、何か手を打つことができたなら…。

桜を守るために力を尽くす人、守り人を桜守(さくらもり)と呼ぶそうです。
ガジュマルの“森”にも、“守り”人=「がじゅもり」がいたなら、お互いを傷めず育ちあう方法を探せるかもしれません。

このような思いから、人の世においても同様の願いを込めて当会の通称を「がじゅもりの会」としました。

2021年6月

大森 真理子